【東京】夜釣りで親子が川で死亡。水深が浅くても溺れてしまう原因とは

31日午前6時20分ごろ、夜釣りをしていた男性と小学3年生の息子(9)が川に沈んでいるのが発見され、搬送先の病院で死亡が確認されました。

当時、川が増水したり、氾濫したりした様子はなかったそうで、発見された場所は水深1.5メートルの場所とのことですが、足がつくような浅い川でも溺れてしまうことはあるのでしょうか。

事件の詳細と、浅瀬でも溺れる原因を解説します。

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夜釣りの親子、川で死亡

横十間川

▲横十間川(よこじゅっけんがわ)

 31日午前2時半ごろ、東京都江東区猿江2丁目の横十間川(よこじゅっけんがわ)で「夜釣りをしていた夫と息子がいなくなった」と、その夫の妻から110番通報があった。

午前6時20分ごろ、この男性と小学3年生の息子(9)の2人が水深約1.5メートルの川の中に沈んでいるのが発見された。

ともに心肺停止の状態で搬送され、病院で死亡が確認された。

2人は前日の午後8時ごろから釣りに出かけていたといい、現場には釣り道具や懐中電灯が残されていた。

引用元朝日新聞

現場近くの会社に勤める男性(58)は「釣りをしている人を見たことはあるが、こんな浅いところで人が溺れるなんて」と話しているそうです。

ではなぜ水深が浅い場所でも溺れてしまう可能性があるのでしょうか。

水深が浅くても溺れてしまう原因

足がつく水深の場所でも、何かの拍子で転んでしまったとき、足で立ちなおすことは難しく、手をつかないと顔を水から出すことはできません

顔を出そうともがけばもがくほど体は逆に浮力を失います

また、手がつく水深の場所でも、頭が水でおおわれる深さ(大人30cm程度、子供20cm程度)があれば溺れる可能性も十分にあります。

転んで顔が浸かってしまうことでパニックになり、水中でそのまま呼吸をしてしまうので、鼻や口から水が入り窒息の状態になったり、鼻から入った水が耳にある管に入り圧力がかかって内出血することで三半規管に支障をきたし、平衡感覚が保てない、めまいが起きるなどにより、呼吸をとる措置ができなることが原因となります。

この状態を“錐体内出血”と言いますが、溺死の半数ほどが錐体内出血が原因だといわれています。

これは泳ぐのが得意な人でも関係なく起きてしまう症状です。

今回の事件現場の横十間川は水深が浅いところでも1.0メートルで、大人でも顔を水面に出すことが難しく、小学校3年生の男の子(平均身長:約133cm)では顔しか出ない水位になることや、暗い環境であったことから、誤って転倒してしまったことによる溺死の可能性が考えられます。

浅瀬でも、泳ぎが得意でも溺れる可能性があることがわかりましたが、溺れないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

溺れないようにするには

今回のケース以外でもすべての状態において言えることですが、まず体調がすぐれないときや、飲酒している場合に水辺で遊んだりするのは危険です。

上記の症状などがより悪い方向に働く可能性があります。

また、何よりも“浮く”ことが重要で、なるべく体の力を抜くようにしなくてはなりません。

パニックにならない、は難しいですが、もがかないで体に力をいれないようにすることを頭に入れておきましょう。

また、泳いでいるときなどに鼻から水を吸ってしまった場合、錐体内出血を起こし知らないうちに平衡感覚が保てなくなってしまう可能性があるので、一旦水辺から離れて休憩しましょう。

これからの季節、海やプール、川遊びなどに出かける方が増えてくる時期ですが、子供からは目を離さない、どんな所でも、どれだけ泳ぎに自信があっても溺れる可能性があるということを理解し、注意を心がけることを忘れないということが大切です。

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