去年10月、当時生後1ヶ月の次男・陸ちゃんの体を揺さぶるなどの暴行を加え、頭にけがを負わせ死亡させた疑いで、大阪府吹田市のアルバイト・楢崎淳二容疑者(30)が逮捕されました。
生後間もない赤ちゃんの体を強く揺さぶると、最悪の場合死に至ってしまうことをご存知でしょうか?
逮捕前の容疑者への取材で明かした無責任な回答と、“揺さぶられっこ症候群”についてご説明いたします。
乳児を揺さぶり死亡させた疑いで父を逮捕
去年10月、大阪府吹田市で当時生後1か月だった次男に暴行を加えて死亡させた疑いで、警察は大阪府吹田市のアルバイト・楢崎淳二容疑者(30)を逮捕しました。
警察によりますと、楢崎容疑者は去年10月、自宅で当時1か月の次男・陸ちゃんに身体を揺さぶるなどの暴行を加えて、頭にけがを負わせ、死亡させた疑いがもたれています。
引用元https://headlines.yahoo.co.jp/
逮捕前の取材で、楢崎容疑者は虐待に対し、「全くなくて、僕たち全く身に覚えがなくて。逆に僕たち…嫁がその原因を知りたいので…」と話しており、子供を揺さぶる親について聞かれると、「どうっていうか、揺さぶりがどうにかなるわけでもない印象なんで、僕、赤ちゃんが泣こうがどうしようが気にしないので…」と答えた。
逮捕後の供述は、「暴力などは一切振るっていません。子どもがそのような重傷を負った原因は何も思いつきません」と容疑を否認しているそうです。
苦しい言い逃れのように聞こえてなりませんが、生後1ヶ月の赤ちゃんを揺さぶるなどし、死に至らせてしまった原因で考えられる、通称“揺さぶられっこ症候群”とは一体どんなものなのでしょうか。
揺さぶられっこ症候群とは
赤ちゃんには産まれる前から頭蓋骨に隙間があり、産道を通って産まれてくるときに、一番大きい頭が出やすいように、その頭蓋骨の隙間によって頭を変形させて産まれてきます。
また、産まれてから急速に成長する脳の妨げにならないためでもあります。
生後間もなく首がすわっていない乳児は、首の筋肉が発達していないため、強く揺さぶると脳まで揺さぶられることとなり、頭蓋骨に隙間もあり頭自体まだ柔らかい状態なので、眼底出血やクモ膜下出血などの頭蓋内出血などを引き起こし、知的障害や言語障害、体の麻痺などの運動障害などが引き起こされ、最悪の場合死に至ることがあります。
乳児揺さぶり症候群、乳幼児揺さぶられ症候群とも呼ばれます。
具体的な例は以下の通りです。
- 頭を2秒間に5~6回揺する
- 体を10秒間に5~6回の割合で激しく揺する
- 体を20分間左右に揺する
- 「高い高い」で空中に投げ上げてキャッチを繰り返す
- 両手で抱え、急激に持ち上げゆっくり下ろすことを繰り返す
- ゆりかごなどに入れたまま、大きく・早く何度も揺する
この例を見ると、過度な揺さぶりを気を付ければ日常生活で心配はないように見えます。
しかし自分で意識しているつもりはなくても、もしかしたら“揺さぶられっこ症候群”になってしまっているかもしれません。
そうならないよう、上記以外で気を付けるべきことを把握しておきましょう。
揺さぶられっこ症候群にならないよう気を付けることは
首がすわったから大丈夫、生後何か月になったから大丈夫というわけではないので、あやすときも、背中をとんとんするときも、高い高いするときも、強くやり過ぎないよう、やさしく扱ってあげてください。
育児などの疲れが溜まっていたり、イライラしていると、無意識のうちに力が入ってしまうこともあります。
また、車やベビーカーの振動で重症的な揺さぶられっこ症候群になる可能性は低いですが、上記の例などに当てはまるような強い振動が加わりそうな場合は、抱きかかえるなどし、守ってあげてください。
揺さぶられっこ症候群を知っていても知らなくても強く揺さぶることは虐待となってしまいます。
赤ちゃんに及ぶ危険を理解し、赤ちゃんのことを大切に、ちゃんと向き合って育児ができていれば、小さな命が失われることもなかったと悔やむばかりです。